2017年2月21日火曜日

色々の現象学



元気だった?
色々あった。

あいつは何してる?
色々あったみたいだよ。

彼らはどうした?
あぁ、色々あってね。

そういうおまえは?
う〜ん… 色々…



久しぶりの友達と会うと色々、色々と、まるで色の氾濫だ。
人は色とりどりの中を寝起きしているらしい。

あかね、にび色、もえぎ色。
子供の頃は知らなかった色の名を
見聞きするようにもなる。

大人になるって、
色の種類を増やしていくことなのか。

あまり混ぜ合わせれば混濁。
塗り重ねれば重厚に。
けばけばしい色、地味な色。

人それぞれ、
人生  色、色ならば
その人となりを絵画に例えてみるのも面白い。

あの人はモネ。この人は等伯。
その人はゴーギャンで、
あそこの人はポロックだ!!







色彩の真剣な研究は、人間の養成のための優れた方策でもある。
なぜなら、それは内面的かつ必然的な知覚の世界にわれわれを導くからである。

                                           ヨハネス・イッテン 『色彩論』より


色々あった…

語り尽くせぬ暮らしのあれこれを、
人は「色々」に託して分かち合う。

淡くとも色彩ゆたかな「色々」を送りたいものだと そう思う。


色めく春も遠からぬ日々。梅の花も鮮やかです。

皆さんもどうぞ色どりのよい毎日をお過ごしください。

2017年2月14日火曜日

餃子とチャイナガール



今夜のご飯が餃子だったら この子の出番です。




ニーハオ!



サイズは3寸。約9センチの小皿。

性別 国籍不明ですが、僕は中華娘と思っております。
本当をご存知の方いらっしゃいましたらお教えください。


醤油とお酢をたっぷり注いで

いただきます!!








ごちそうさま!!



追伸

せっかくおいしく包んだ餃子ですから、
ラー油も手作りしたいものですね。









2017年2月12日日曜日

肥後の守のナイフ



なんてことない、
肥後の守のナイフである。

梱包を解いたり、
鉛筆を削ったり。

名前の由来に諸説あるものの
何はともあれヒゴノカミ。

たまに砥いでやり、
また磨いてあげる。

手によく馴染み、
くぐもったブラスの質感が好ましい。

ほどよくお気に入りであり、
無くても困らない程度に必需品。

なんてことない肥後の守。
なんてことない毎日に。



柚子のチップス



余り物の柚子をドライのチップスにいたしました。

デザートに添えてお出しします。

砂糖漬けにはしておりません。
柚子そのまんまです。

召し上がってみて下さい。

すごく、まずいですから。




店主





2017年2月11日土曜日

厨房のシャーマニズム その2



ケチャップを作るときも、
やはり、ローリエ同様
材料野菜たちをローストして、
少し焦げ目を付けてから煮込んでいます。

これもまた実は、
結果にどれだけの効果が現れているのかは、
心もとないところです。

なぜなら、
ローストせずに野菜を煮ても、
ケチャップの味はあまり変わらない気がするからです。

それでも敢えて面倒を。
ひと手間 焦げ目をつけるのは
美味しくなあれと、
料理にまじないをかける為です。

ほんのり魔法のかかった自家製ケチャップ。
ナポリタンに、ピザトーストに使ってます。

お暇でしたら召し上がれ。



焼くことは何でもないことだが、また、それが全てでもある。
マルキ ド カシー
19世紀フランスの料理人の言葉を添えて









2017年2月9日木曜日

厨房のシャーマニズム




ローリエの葉は、
使う直前に少し
火で炙るといいと言われています。

焼きをいれることで薫りがよく出るからです。


ただ、煮物に使う際、
そのことによって、どれだけの違いが結果に出るか、
実は僕にはよく分かりません。
あまり変わらない気もするのです。

それでも必ず、
少し炙ってから使うことにしています。

セイジを焚いたような心地よい薫煙が立ちあがり、
どこか秘儀めいた気分になります。


料理人は神の遣わした預言者である。
とは、英国の作家ジェロームの言葉ですが、
さすがにそれは大袈裟かもしれません。

けれども、こうは言えるでしょう。
心こめて料理する時、人は誰でも魔術師なのだと。

そう、なぜならローリエに火を点すのも、
"おいしくなぁれ "の  おまじない  に他ならないのですから。




2017年2月2日木曜日

休日のスーフィズム




珈琲を初めに飲んだのは、
イスラム神秘主義の修行僧スーフィー達だったと伝えられています。

夜を徹して祈り続けるためにカフェインを重用したのだそう。

なんでも15世紀のことだとか。

ちなみにスーフィーとは毛布という意味で、
いつも羊毛のマントを纏っていたことから彼らはそう呼ばれたそうです。


今朝もお寒うございます。

こんな日はブランケットに包まり珈琲一杯。

ぼけとした時間。それも瞑想ということに。

僕もまた自堕落なスーフィーになるのでした。