2017年9月25日月曜日

昆布だしのポタージュ



毎度、日替わり気まぐれのポタージュ。

只今のお味は、かぼちゃと甘酒。

かつて、作家の阿川弘之さんは、
翻訳作業の難しさを、「昆布だしでポタージュをつくるようなもの」
なんて例えていましたが、

近ごろはそんな昆布だしで作る
ポタージュスープがお気に入りです。

素材の味を大切に、
ごくごくシンプルな作りですので、
あまり難しいものではありません。

くだけた気持ちでお召し上がりください。

ほのかな昆布だしの風味。
少し甘めの、秋めいた味わいです。

かぼちゃと甘酒のポタージュ

よろしかったら召し上がれ。


2017年9月24日日曜日

牛の歩み,一周年






気が付けば
本日で開業1周年。
もう、とにかく激動の1年間
とでも うそぶけば格好もつくのでしょうが、
どちらかといえば淡々とした
いえ むしろ、のらりのらりと過ぎてゆく、


そんな12か月だったのかもしれません。
遅々として、なかなか前に進まぬことを、
牛の歩みに例えたりいたしますが、
この1年は、我ながらの牛歩ぶりに、
驚いたり、呆れたりする日々でもありました。
あぁしよう、こうしようと思いつつも、
ついつい、いつもの癖でだらりと過ごしてしまっ
いいえ、
ここは草食の牛らしく"道草を喰った"とでも言っておきましょうか。
いろいろやりたい作業はあるのですが、
ぼやぼやしたり、うかうかしたり
なかなか実行に移せません。
牛の一散(急に走り出すこと)とは行かないようです。
とにもかくにも、
本日をもってヒマダコーヒーも1周年となりました。

これまで支えて頂いた多くの方に
この場を借りて厚く御礼を申し上げます。


皆さまのご愛顧にお応えする為にも、
これからは獅子奮迅の如くとも思うのですが、
如何せん私のこと
「角を矯めて牛を殺す」という諺があります。
小さな欠点を無理に直そうとして、

かえって全体を駄目にしてしまうことの例えです。
ゆっくりとしか進められない自分は
無理に獅子の真似をするよりは、
角を矯めぬよう、

牛歩の歩幅で歩むのが合っているのかもしれません。
「牛の歩みも千里」
牛のゆっくりとした歩みでも、

いつか千里の先に達すると云いますし、

「牛も千里、馬も千里」とも云います。
速度に差はあれど、進んでさえいれば、
行きつくところは一緒だそうです。
でしたら、牛の速さでしか出会えない情景をこそ、
大切にしていければと、そう思います。
また、「商いは牛のよだれ」
商売は気長にゆっくりとも云いますしね。
やはり、私はこのまま牛歩の旅を続けたいと思います。
ゆっくりとした歩みになりますが、

宜しければお付き合いをお願い致します。

ものごとが思ってもみなかった良い方向へ導かれることを
「牛にひかれて善光寺参り」などとも。
それもまた牛歩の歩みの、お愉しみなのかもしれません。


今後ともヒマダコーヒーをどうぞ宜しくお願いいたします。
                   


  店主敬白

 

十牛図:禅では悟りにいたる道のりを10枚の牛の絵で諭したとか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E7%89%9B%E5%9B%B3



























2017年9月21日木曜日

デニスの庭 もしくはコカコーラの午後





杉江篤志(あっちゃん)の写真展
『デニスの庭 On Her Land』へ。

鎌倉Born Free Works へ。

写真に収められた
カリフォルニアの光と空気。

秋晴れの国道134号線。
窓の外は海。
穏やかな午後。

なんだか久しぶりにコーラが飲みたくなって自販機へ。

友と、コカコーラで乾杯。

コーラはやっぱり甘かったけど、
それ以上に気持ちがいい。

心は、ここちのよい方へ。



アウトドア用のコーヒーポット




先日の焚き火で用いた
コーヒーのドリップポットがこちら。





スウェーデン、
トランギア社のアルミ製ケトルに、
手作りパーツを装着して。


          













ドリッパーに関しては色々と、
屋外向けに趣向を凝らした製品が
出回ってもいるのですが、

ドリップポットには
アウトドア仕様に特化されたものが見当たりません。

ピクニックでは普段お使いのポットをお持ちになれば
それで十分こと足りますが、
こと焚き火や登山になると、家庭用ポットでは焦げたり重かったり
また持ち手が熱くなったりと、
いろいろ難点が出てしまいます。

そこで、野点でもコーヒーを美味しく効率的に淹れられるよう、
ケトルに装着する注ぎ口を自作いたしました。




この改造によって湯を細く、
またコーヒー豆に近い位置から注ぐことが出来るようになりました。



細く近くから。これはご自宅で淹れられる際のコツにもなりますが、
屋外での抽出においては湯が風に煽られにくくなり、
また冷めにくくなるという利点にもなります。




この自作の注ぎ口は以前から使っていたものなのですが、
先日、初めて見た友人らからの受けもよかったので、
改めて発表をさせていただきます。

造作自体はシンプルなものです。
材料はゴム栓とアルミパイプのみ。



アルミパイプをカットし、曲げて、先端を少し絞り、
穴をあけたゴム栓に通しただけ。実測にして6g。

簡単な工具さえあればどなたでも自作できるでしょう。
ゴム栓の素材をシリコンに替えればより耐久性は上がりますし、
パイプ径の太さで抽出スピードのコントロールも出来るかと。
ちなみに私はΦ8mmのパイプを使っています。

適当に作っただけなのですが、
結果、ヘタなドリップポットより淹れやすいものになりました。

屋外で飲むコーヒーに関しては多少の工夫を凝らして参りました。
今後、少しずつでもそのティップスをご報告していきたいと思います。

外遊びが嬉しい季節になって参りました。
皆さまもどうぞ素敵な行楽の秋をお迎えください。



2017年9月16日土曜日

くちなしのお茶




近ごろ、くちなしのお茶を始めました。

たくあんや栗きんとんの色付け染料として知られるくちなしですが、
お茶として飲んでもおいしく頂けます。

またくちなしの実には、血行の促進、肩こり 目の疲れの改善、
血圧降下、抗炎症、また抗酸化の働きもあるそうです。いいですね。






それになんと言ったって、
色の鮮やかさが、爽快ではありませんか。

湯を注ぐとまもなくサフランにも似た香りがふわと漂います。
しばらく置くと、野苺のような風味が出てきます。
野趣ありながらも嫌味のない、品のあるお味。

ヒマダコーヒーのお気に入り。
くちなし茶。是非どうぞ。






追伸:

くちなしを扱っていると、いつも原田知世を口ずさんでしまい、
自分の乙女っぷりに、人知れず顔を赤らめております。




2017年9月15日金曜日

火と団欒




団欒、

ダンランという言葉は、本来 同じ火を囲むことを云うらしい。

一家団欒を意味するフランス語 FOYER/フォアイエも、もとは火床のことだとか。

なるほど、人の憩いは火をぐるりして成り立ってきたんだな。

今日は団欒。
はつ秋の空のもと、焚き火の会。
皆で炎を囲んで面白い。









ちなみに、"面白い"も
火に照らされて白く浮かんだ顔のことだとか。*

燠火にほのめく皆の顔。

ご飯を食べて
コーヒー淹れて、
ぽつりぽつり、
ときにはアハハと話します。


空気がさらに冷えてきたよう。
少し薪を足そう。

団欒のぬくもりが面白くてまた温かい。


・・・・・


げに心地よき火や、
たが燃やしつる火ぞ、忝けなし。

国木田独歩『たき火』より



S家タオの焚火デビュー。トング振り振りご満悦。
どうして屋外でコーヒーを淹れるといつも
反省しているような図になるのだろう。





*谷崎潤一郎『陰翳礼讃』にはそう記されておりますが、どうやらこれは俗説。
「面白い」の語源は、面(目の前)が白く(明るくハッキリ)なることから、というのが現在有力な説だそうです。










2017年9月8日金曜日

味見のための小さなカップ





淹れた珈琲は必ず味見をしてお出ししております。

それは1日のうちに幾度も行われる小さくとも大切な儀式。
ならばその味見も素敵なカップで執り行いたいものですね。

こちらは陶芸家:寒川義雄さんの小さなカップ。
テイスティングに程よい大きさで、大変気にいっております。









でも実は、カップとしての使い勝手はあまり良くありません。

古い焼き物を模したというこのかたち、
把っ手の繊細さに対して、本体が重く、
営業中の機敏のなかでは ちょっとばかり取り回しが悪いのです。

(もしくは豆皿として使うのが正解かもしれません)
           
雑に扱うと折角のお気に入りなのにぶつけて欠いてしまいそう。
取っ手がもげてしまいそう。

なので、丁寧に扱うことにしています。

丁寧に取り扱うと、
なんと、味見も丁寧になるのです。

急いでいる時はもどかしい感もありますが、
それでも一度、せわしなさを緩慢に。気を静めて。
そっと手に持ち、ゆっくり口に含んで、きちんと味見。

味見のための小さなカップ。
これは、ひとつ所作を懇ろにしてくれる
味見のための大切なカップなのです。







2017年9月7日木曜日

木の実とつむじ曲がり





近ごろ
うちのすぐ裏手にあるマンションの
あるひと部屋が賑やかです。

普段は週末くらいしか使われていない
別荘使いの部屋なのでしょうか。

そこに若い男子が集まって
明け方まで騒いでいるのです。

隣近所の迷惑などお構いなし。
大声や笑い声で目を覚ましてしまうこともしばしば。

あまりにうるさいもので
我ながらのつむじ曲がりと思いつつも、

その部屋の窓に
小さな木の実を投げあてています。

こつん

"おや、森の精霊もお怒りだよ。
僕たちももう休もうか。"

などと、それで鎮まる訳もなく。


宴たけなわの男子らに
そんな微かな苦情が届くはずがありません。
騒ぎはいっこう収まらず。


ちなみに私はこの効果とぼしい攻撃を
"ととろ攻撃"と、命名しました。

・・・

ヒマダコーヒーではお客さまに
お静かにお過ごしいただくようお願いしております。

大きな声でお話しされる方、
お喋りが少し過ぎてしまった方、
もし木の実が飛んできましたら
ごめんなさい。それはととろいいえ、私の仕業です。






2017年9月4日月曜日

9月5日は休業いただきます/祖父の四十九日


ヒマダコーヒー
9月5日(火)は
祖父の四十九日法要につき
臨時にて休業を頂きます。




写真は身まかる数時間前の祖父と、
そして祖母。
世界で一番やさしい写真。

享年94

自宅で皆に見守られながら
息を引き取った。

本当に幸せな人生
仕合わせな最期だったのではないかと、
そう思います。

なので若干の寂しさは覚えつつも
悲しさなどは微塵もありません。

明日も気持ちよく
送り出すことができそうです。


ヒマダコーヒーにご来店を予定されていた方、
もしくは足を運んでしまった方、
まことに申し訳ありませんが、
休店の旨、ご理解とご了承を
宜しくお願いいたします。

また宜しければ、
手を振るでも合掌のひとつでも頂けましたら。

”お出迎え゛や”お見送り゛
されるのが大好きな故人でした。
さすれば更に意気揚々とした気持ちで
旅立っていくことでしょう。

店主
孫の啓介