2018年12月31日月曜日

2018年5月 - 韓国旅行


母と



2018年5月

韓国旅行

母と身重の妻と3人で。
子が生まれる前
行けるうちに行っておこうと。

実は旅先としての韓国には
あまり関心がなかったのだが

今回、認識を大いに改めることになった。
出来ることなら毎年行きたい。



兎に角
骨董が素晴らしい!

帰国日にあたる3日目。
ソウル市内の骨董街へ。

半日ばかりの骨董ツアーを。

一軒、一軒、めぐる度に
目玉が飛び出る、

度肝が抜かれる。

動悸は止まらず、
魂はつかみ取られる思い、

呼吸を整えつつ、
這う這うの体で
眼福の恵に預かった。

李朝の器の美しさったらない。

帰国後しばらくは
自分の持っている器がどれも詰まらなく見えて困った程だ。


「私はこの頃、ほとんど朝鮮の事にのみ心を奪われている。
何故かくなったかは私には解き得ない。」

柳宗悦


思えば、千利休の茶の湯から
柳宗悦の初期の活動にいたるまで、

日本の美は常に
朝鮮と共にあったのだな。


以下、お土産の品を少々紹介。





李氏朝鮮・白磁鉄絵人形
実はこの鉄絵人形が今回の骨董ツアーの目当てでもあった。
奮発したけど、見事入手できて幸せの至り。



僧?
袈裟(チョゴリ?)を纏っていることからも仏像ではなさそうだ。
用途は不明だが、僧像として信仰の対象になったのか。
仙人?薬師?
白毫があるから仏像なのだろう。
木っ端仏、いや民衆仏というべきか。
手にもっているのは銚子と見えて実は薬壺かもしれない。

儒教の国、朝鮮では仏教は長く弾圧されていた。
そういった時代下において
隠れ仏教徒が持っていたものではないかとも推測される。。
さらなる検証考察が必要。

詳しい方、どなたかか教えてください。





済州島-くり抜きの木皿
穀物などを掬うためのものだろう。
それと真鍮製スッカラ。


簡単に
2018年のまとめ、其の3

雨ニモマケズ





学生時代から親しんだ本がうっかり水没

乾かそうと火のそばに置いたら
今度は焦げた。




雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ
夏ノ暑サニモ…

賢治さん
これがそういうことなのかい?






2018年12月29日土曜日

新メニュー:オムライス




新メニュー

オムライス

ナポリタンはしばらくお休み。

代わりにこちらオムライス。






“巴里の空の下オムレツのにおいは流れる”



なんて随筆を残したのは
シャンソン歌手の石井好子さんですが、


葉山の潮風のもと
ふわとろオムレツの下には
ケチャップ・ライスが。

ケチャップも具材ベーコンも自家製、

玉子は純国産種“岡崎おうはん”のものを使っています。

サラダとピクルスも一緒にどうぞ。

もちろん、オムレツのいいにおいも流れています。

巴里の小唄でも口ずさみながらお愉しみください。





いや〜、

なんででしょうね。

玉子料理ってどうしてこんなに夢があるのかしら?











以上、2018まとめ 其の2でした。



いつかのケータリング風景





2018 いつかのケータリング風景


7/14

junichi ogawa - ちきゅうのがっこう


於:Himmel  葉山




お品書き


   ・スモークチキン、ラズベリーリーフ、人参ピクルスのピタサンド

   ・スコーン - カモミールとクランベリーのバターを挟んで

   ・そらまめ粉のクラッカー

   ・根菜のラタトゥイユ

   ・自家製ドライトマト

   ・ポテトチップス - ホーリーバジルの“のり塩”風

   ・カヴァの利いた冷やし飴



大好きな人、大好きな場所、

尊敬でき、信頼できて、
気持ちがすっと晴れるような場所と人たち、
そして時間に

ささやかなお食事をお添えさせて頂きました。



夏のことになりますが、
ご報告しておりませんでしたので
2018年のまとめとして紹介させて頂きます。

ヒマダコーヒーでは
ケータリング等も承ります。
ご用命ください。




以上2018まとめ其の1でした。




粉のカタマリ







RINさんによる
スコーンとカフェを巡るエッセイ集
『粉のカタマリ』

ただいま当店でもお取り扱いをしております。
どうぞお手にお取りください。

ほろほろ、がりがり、
素朴なものからバタ臭いものまで、

たかが粉のカタマリ、

されど粉のカタマリ、

スコーンってほんと千差万別だから面白い。


ちなみにヒマダコーヒーのスコーンは
乳製品を使わない軽めのタイプ。

ほんのりココナツと人参の香りをきかせた仕様。

そんな当店のスコーンも
ご紹介に与っております、
『粉のカタマリ』。

さあさ、RINさんと一緒に
めくるめく粉とカフェの旅に出かけましょう!
















2018年12月25日火曜日

年末年始の営業予定






12月27日() COFFEE&QUIET 12:00 - 17:00
   28日() 通常営業
   29日() 通常営業
   30日() 通常営業
   31日() 休み

01月01日() ホリデイ営業 12:00 - 17:00
   02日() ホリデイ営業 12:00 - 17:00
   03日() ホリデイ営業 12:00 - 17:00
   04日() ホリデイ営業 12:00 - 17:00
   05日() ホリデイ営業 12:00 - 17:00
   06日() ホリデイ営業 12:00 - 17:00

   07日() 休み
   08日() 休み
   09日() 休み
   10日() 休み
   11日() COFFEE&QUIET 12:00-17:00
   12日() 通常営業再開





以上、年末年始の予定になります。

ホリデイ日は通常よりメニュー内容を絞っての営業となります。
少し変則的な営業日時となりますがどうぞ憩いにいらして下さい。

ゆく年くる年もどうぞヒマダコーヒーを宜しくお願いいたします。






2018年12月18日火曜日

父の気がかり








これで、たいていの場合は、会話は終わりになってしまう。
もっとも、こうした返事を彼がいつもするとは限らない。
しばしば、彼は、木でできているかのように、
木のように長いこと押し黙っている。

フランツ・カフカ 『父の気がかり』より





高校の同級生にOという男がいた。

クラスの中では、
あまり目立たないタイプだっただろう。

けれども噛めば噛むほど…というやつで、
付き合いを深くするほどに妙な味わいを醸す男であって、
何だかんだでクラス内の隠れた人気者だった気がするし、
実際、僕自身も彼のことが好きだった。

とにかく変わった男で (僕も変人だったが…)
言葉でのコミュニケーションがいつも一つボタンを掛け違ったふうになってしまうのだ。

それがどうにも人をイラつかせるのであるが、
そのもどかしさが “疼き”となって不思議な快感を伴うのだからたまらない。
病みつきになる。

結局、僕らは高校生にして彼に一種のマゾヒズムを養われていたのかもしれぬが、
「本当に変わった奴は目立たず、一般市民のなかに紛れている」という
サイコパスと同様の定理を僕が見つけたのも、彼との交友を通してだ。


「そろそろ、髪の毛 切りたいな」

「Oは髪をどこで切ってるの? 美容院?それとも床屋?」

「…あそこね、多分、熱帯魚なんだよね…」

「……………………??」

こんなやり取りを憶えている。


決して饒舌なタイプではなかった。
むしろとつ弁な手合いだ。

そしてぽつり、ぽつりと、
慎重に言葉を選びながらトンチンカンなことを言うのだから ますます“疼く”。

頭は悪くなかった。それどころか哲学者を思わせる何かがあった。
言うなれば天才的な素養が強かったのだろうと今にしては思う。

思考が飛躍しているのだ。
思惟が会話のプロセスを何段か飛び越して口から出るのだろう。
彼の発言は、言うなれば言葉の“消える魔球”だった。

会話のキャッチボール中に魔球を放たれては僕らのコミュニケーション能力では
捕球できない。

当時 僕らは未だ缶蹴りなどをして遊んでいた。
無論 女性とのお付き合いなど考えたこともない。
幼稚だったのだ。


先ほどの会話の真意をひも解くと
いつも通っている美容院だか床屋だかには水槽が置いてあり、
そこには熱帯魚のような魚が泳いでいると、そういうことだったらしい。
結局、美容院か床屋かは分からなかったが。


ある日の下校時、何となしに昔の話をしていて僕は知ったのだが、
絵本や紙芝居などの代わりに彼は幼少時、
フランツ・カフカの物語を両親から語り聞かせて貰っていたという。

なるほど、彼の持つ漠とした後ろ暗さや、埒のあかない感じ、
交通不全のもやもや感は、たしかにカフカ的だと、
妙に得心する半面、少しゾッとする思いも半分だった。


英才教育や情操教育とも言うけれど、
やはり子供には子供らしい読み物をと、
僕は十代の時に思い知らされた。

子を得て、やがて僕も寝しなの物語りをこの子に聞かせてやるのだろう。
手に取る本はきちんと選んでやりたい。


高校を卒業してから、Oとはまるで会っていない。
現在、どこで何をしているのか全くの不明であるが
同窓会などにも全く顔を出さない僕にもその一因はあるだろう。
交通不全は彼だけではない。僕は人に連絡することが何より苦手なのだ。

きっと街ですれ違ってもお互い気付くこともないかもしれぬ。
逢っても話すことなどないかもしれない。

けれども彼の印象はカフカのイメージを伴って、僕の中に強く残っている。





息子にカフカを読むのはやめておこう。




































2018年12月1日土曜日

coffee & quiet





木曜日は 

COFFEE & QUIET

12:00 - 17:00

ブラックの珈琲。

三年番茶。

それと おやつ。

以上。

私語は禁止。

静かな、本など読むに適した木曜日の午後です。




2018年11月22日木曜日

秋を数える







行く我(われ)に とゞまる 汝(なれ)に 秋二つ

正岡子規



夏目漱石と正岡子規。
東京で出逢った二人の深い友情は、

漱石が教師として赴任し、
また子規が療養のため帰郷した松山の地で、
再び紡がれることになる。

これは子規があらためて上京する際に
松山に残る漱石に贈った句である。



写真は、小さなお客さまの忘れもの。

次回のご来店までお預かりしておこう。

小さな秋がここにもひとつ。








2018年11月4日日曜日

目止めを施す

くつくつくつ、鍋の中では陶器が揺らいでいる。




した方が良いという。

いやいや、
カビや匂いの原因になる、
しないが良いとの意見もある。

果たして本当の正解は分からぬものの
何はともあれ、手に入れた器はまず最初に目止めを施す。

米の研ぎ汁でゆっくりと
弱火で炊いてあげるのだ。

陶器を頑丈にし、
汚れにくくするのが狙いであるが、

それだけではない。

これはまた
新しい器を迎える際の
歓迎のセレモニーであり、

大切に使うぞという、
宣誓の儀式であったりもするのだ。



“用いるにつれて器の美は日増しに育ってくる。”    

          − 柳宗悦



培われていくその美を景色を貫入を
楽しみながら愛でていきたい。

お客様にも、お、この器もだいぶ育ってきたなぁ…

なんて思っていただけたら、いいなぁ。






2018年10月29日月曜日

月に吠える





今年はどんな仮装をするの?って、

僕がハロウィンの仮装などしそうにないのは知ってるくせに。

これはつまり、
即興で面白い答えを言いなさいというフリなのだ。

僕は毎年ムーンドッグだよと、
急ごしらえで言ってみた。



6番街のヴァイキングこと MOON DOG
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ムーンドッグ


この応えが彼女を喜ばしたかはどうか知らん。




生まれついての偏奇はいざ知らず、
それ以上の奇抜な格好や振る舞いは出来やしない。
僕は内気なのだ。

けれども、奇矯なパフォーマーにこころ惹かれてしまうのは、
特に珍奇な出で立ちをしたミュージシャンに惹かれてしまうのは、

きっと僕のうちにも重篤な変身願望があるのだろう。
それを彼らに投影しているのだ。


本名 ルイス・トーマス・ハーディン。
路上を住み家とする盲目の音楽家である。
ムーンドッグとは、月に吠える犬を讃えての芸名だそうだ。


おふざけで言ってみただけで
僕がムーンドッグの仮装をすることはないだろう。
自分の殻はまだまだ破れぬのだ。

それならばせめて今夜は彼の曲を聴きながら
月に吠える犬の真似ごとだけでもしてみよう。

「ぬすつと犬めが、くさつた波止場の月に吠えてゐる。」

萩原朔太郎 『悲しい月夜』より

ワオーン。